Q:ラップはどうやって作るの?
A:家庭用のラップの多くはポリ塩化ビニリデン系合成繊維とよばれる樹脂からできています。
ポリ塩化ビニリデン系合成繊維は加熱に強く、電子レンジで使用することもでき、他の樹脂に比べ
て酸素や水分を通しにくい性質があります。
では、具体的にラップを製造する工程を見てみましょう。
ラップはインフレーション法という工程で製造されます。石油を原料に合成されたポリ塩化ビニ
リデン系合成繊維を炉で加熱して融解させ、金口からチューブ状に押し出します。同時に空気を吹
き込み、風船のように膨らまして樹脂を膜にします。
となります。
Q:アルミ缶はどうやってつくるの?
A:缶には幾つか種類がありますが、ここでは底と胴体が一枚の板から作られるDI
缶(Drawing−Ironing缶)と呼ばれるものを紹介します。DI缶はビールや炭酸飲料など
の保存に使用される底がドーム状にへこんだ缶で、1分間に1000個以上という目
にも止まらない速さで生産されます。その工程を見てみましょう。
まず、厚さ0.3mm前後の金属の素板をブランクと呼ばれる円板に打ち抜きます。この工
程をブランク抜きといいます。
同時にブランクの外側を押さえ、中心部をプレスして浅い円柱(コップのような形)にします。この
工程を絞り成形といいます。(図2)
図2 絞り成形
Q:インスタントコーヒーはどうやってつくるの?
A:世界各国で生産されたコーヒー豆は、工場で焙煎、ブレンドされたあと粉砕され
ます。このまま包装すればレギュラーコーヒーになります。
インスタントコーヒーの場合、粉砕したコーヒー豆をお湯で抽出します。これを乾燥
するのですが、その方法は大きく分けて2通りあります。
噴霧乾燥(スプレードライ)は、抽出したコーヒー液を霧吹きで噴射し、熱風を吹き
かけて水分を瞬間的に蒸発させる方法です(図4は乾燥塔のイメージ図)。このよう
にして乾燥したものを包装して製品になります。
一方、凍結乾燥(フリーズドライ)と呼ばれる方法では、コーヒー液を−40℃の冷
凍室で凍らせて、これを真空状態に放置します。すると氷が水蒸気に変化するという
現象(昇華)が起き、水分が取り除かれます。この方法では、氷のあった部分がなく
なるので、インスタントコーヒーの粒が穴だらけのスポンジのような状態になります。
スポンジには水が中まで染み込みやすいが性質がありますが、このインスタントコー
ヒーにも同じような理由で水に溶
■ 参考文献・HP
『もの作り不思議百科−注射針からアルミ箔まで』 JSTP編 コロナ社
『もの作り解体新書』 日刊工業新聞社
『AGF Web Site /コーヒー図鑑』 http://www.agf.co.jp/5_hiyaka/5_1_1index.html
『東洋製罐』 http://www.toyo-seikan.co.jp/
■ 出典
※『Plastic Information
Network』 http://www.pi-jp.net/main04/main04-2/200011.html
文責:高坂 泰弘