まず、はじめにクイズを 2 問
Q1. 虹は何色でしょうか?
Q2. ポストの色は何色でしょうか?
それでは答え合わせです。
Q1. 7 色
Q2. 赤
簡単だよ、と思うかもしれません。でも、この認識は世界共通のものとは限らないのです。 国や民族によっては、虹が 4 色だったりポストが緑色だったりすることもあるのですよ。 ここでは、そういった色に関する様々な認識について説明していきます。
虹の色は日本では赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の 7 色とされています。 しかし、アメリカでは赤・橙・黄・緑・青・紫の 6 色が一般的(学術分野では日本と同じ 7 色)なのです。 Mac の Apple のマークがアメリカでの虹の認識の仕方のわかりやすい代表といえるかもしれません。 順番は違っても Apple マークに使われている色はこの 6 色です。 また、ロシアでは橙・黄・緑・青の 4 色から 7 色まで人それぞれで変わってくるようです。
現在、日本や西欧で 7 色とされることが多いのはなぜかということですが、 イギリスの科学者・ミュートンガ太陽光をプリズムで虹色の帯に分解したとき、 聖数七(音階など)にちなんでそれを 7 色に考えたということが始まりになったようです。 このために、イギリスやアメリカの学術分野では虹を 7 色と定義するようになり、 そして日本でもおそらくはそれを受け、明治 8 年発行の教科書「小学色図解」で「太陽の光は 7 色」と書かれたことから、 虹を 7 色とする認識が一般に広まったといわれています。
じゃあ、実際には何色なの? ということですが、科学的には虹の色は連続した変化であって、特定の名前で分別して数えるということは不可能なのです。
ポストも国によってさまざまです。私たちがよく見かけるポストの色は真っ赤なポストです。 しかし、日本のポストも郵便制度ができた 1871 年は黒や緑のポストでした。 外国のポストをあげると、アメリカでは青、中国では深緑、イギリスでは赤、 ドイツは黄色のように本当にさまざまです。
このほかにも、顔色の悪いたとえが日本は青、フランスは緑、中国は白など世界の色の認識の違いはたくさんあります。 このように色の認識は人間の環境や言語、文化の影響を多大に受けていて私たちの常識が世界の非常識ということがあるのです。 だから、自分たちの常識にとらわれずに自分の目で確認し、考え、感じ取ることが大切なのだと思います。
今度、虹を見かけたら是非、自分の目で数えてみてください。虹は何色ですか?
(文責:武藤)
http://www.t-scitech.net/history/miraikan/color/psychology.html