東工大 ScienceTechno × 緑が丘文化会館 企画

はじめに

1. カメラを構成する部品
2. 印画紙の仕組み
3. ピンホールレンズの原理

ピンホールカメラを作ろう!

印画紙の仕組み

今回の講義では、白黒の画像が撮影できる「モノクロ印画紙」を使いました。 この印画紙に光が当たったとき、内部ではどのような反応が起こっているのか見てみましょう。 「カメラ」というのはご存じのように写真を写す機械のことです。

まずは印画紙の構造の説明です

印画紙の構造 左の断面図のように、印画紙には表と裏があります。 薬品の層があり、ツルツルした触感があるのが表です。 一方、土台の層があり、ザラザラしているのが裏です。
さらに、薬品の層と土台の層の間には銀の粒がたくさんあります。

印画紙に光を当てると…?

光が当たった部分の銀は別の物質になる 右の図のように印画紙に光が当たると、薬品の作用によって中にあった銀の粒()が 違う形()に変化します。光が強く当たった所ほど、多くの銀が変形します。
でもこの時点はまだ、の色の違いは、外から見ただけでは分かりません。

写真を現像する

印画紙にただ光を当てただけでは、印画紙の上に画像を写すことは出来ません。 そこで画像を写すためには、フィルムの現像という作業が必要になってきます。

ただし現像の作業は必ず周りを暗くして、赤いライトの下で行うようにします。
これは、余計な光が当たってこれ以上になるのを防ぐためです。
印画紙にただ光を当てただけでは、印画紙の上に画像を写すことは出来ません。

現像液のはたらき まず、撮影した印画紙を現像液という薬品にひたします(右の図で印画紙を囲んでいる青いものが現像液です)。 すると、変形した銀()だけが黒い色に変化します。
変形した銀()がたくさんある場所は黒っぽく、少ない場所は白っぽくなります。 この色の濃さの度合いによって、画像が生まれるのです。

定着液のはたらき 次に、印画紙を停止液という薬品で洗った後、定着液という薬品にひたします。 すると印画紙の土台の上から、変化していない銀の粒()と薬品の層がはがれていきます。
銀の粒()と薬品が完全に印画紙から取れたら、現像の作業は終了です。

ここまでくると、もう印画紙上には存在しないので、 周りを明るくしても大丈夫です。