ピンホールカメラを作ろう!
印画紙の仕組み
今回の講義では、白黒の画像が撮影できる「モノクロ印画紙」を使いました。
この印画紙に光が当たったとき、内部ではどのような反応が起こっているのか見てみましょう。
「カメラ」というのはご存じのように写真を写す機械のことです。
まずは印画紙の構造の説明です
左の断面図のように、印画紙には表と裏があります。
薬品の層があり、ツルツルした触感があるのが表です。
一方、土台の層があり、ザラザラしているのが裏です。
さらに、薬品の層と土台の層の間には銀の粒がたくさんあります。
印画紙に光を当てると…?
右の図のように印画紙に光が当たると、薬品の作用によって中にあった銀の粒(■)が
違う形(●)に変化します。光が強く当たった所ほど、多くの銀が変形します。
でもこの時点はまだ、■と●の色の違いは、外から見ただけでは分かりません。
写真を現像する
印画紙にただ光を当てただけでは、印画紙の上に画像を写すことは出来ません。
そこで画像を写すためには、フィルムの現像という作業が必要になってきます。
ただし現像の作業は必ず周りを暗くして、赤いライトの下で行うようにします。
これは、余計な光が当たってこれ以上■が●になるのを防ぐためです。
印画紙にただ光を当てただけでは、印画紙の上に画像を写すことは出来ません。
まず、撮影した印画紙を現像液という薬品にひたします(右の図で印画紙を囲んでいる青いものが現像液です)。
すると、変形した銀(●)だけが黒い色に変化します。
変形した銀(●)がたくさんある場所は黒っぽく、少ない場所は白っぽくなります。
この色の濃さの度合いによって、画像が生まれるのです。
次に、印画紙を停止液という薬品で洗った後、定着液という薬品にひたします。
すると印画紙の土台の上から、変化していない銀の粒(■)と薬品の層がはがれていきます。
銀の粒(■)と薬品が完全に印画紙から取れたら、現像の作業は終了です。
ここまでくると、もう印画紙上に■は存在しないので、
周りを明るくしても大丈夫です。
|