目に見えない微生物の世界にも、いろいろな種類の生き物があります。微生物を大きく分類すると、細菌類、ウイルス、 真菌、寄生虫と分けることができます。これらの微生物の違いをみてみましょう。
真菌は「かび」のことで、特徴として、DNA が膜に囲われて守られています。真菌はパンを作るときの発酵に利用されたり、 抗生物質などの医薬品を作る際にも用いられる一方、一部の真菌には病気の原因になるものもあります。 真菌と細菌の違いを表にすると以下のようになります。
いる場所 | DNA の場所 | 栄養の取り方 | |
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真菌 | 水や土の中 | DNA は膜に囲われて守られている。 | 他の生物を利用して栄養を取る。 |
細菌 | 生物の中 | DNA は膜に囲われていない。 | 自ら栄養を取ることができる。 |
大腸菌、サルモネラ菌などといった細菌類は、自身で増殖することができます。単独で生きていくことができるのです。 対照的に、ウイルスは自身では増殖することができず、独りでは生きていくことができません。そのため、ウイルスは 他の生物の細胞内に侵入しなければ生きていけません。侵入した細胞を利用して生活し、そこから増殖していくのです。
特徴 | 大きさ | |
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細菌 | 単独で生きていくことができる。 | 1 - 5 µm |
ウイルス | 単独で生きていくことはできない。細胞内に侵入する。 | 0.1 µm |
寄生虫とは、他の生物にくっつき、相手に害を与えながら生きていく生物のことです。身近なものとして、ダニやシラミは 寄生虫の仲間です。寄生する場所は体の外側であったり内側であったりして、寄生虫によって寄生する場所も違います。
日本ではかつて、多くの国民が寄生虫が原因の病気にかかっていた時期もありましたが、衛生状態がよくなったことによって 病気にかかる人は少なくなっています。一方、熱帯・亜熱帯の地域では、年間に 3 - 5 億もの人が寄生虫の病気の一つである マラリアに感染してしまっているといわれています。