取れたて!旬だね!食材の化学
比べてみよう!! 食材のビタミン C
内容
各食材に含まれているビタミン C の量を比較します。みなさんは「ヨウ素デンプン反応」という反応を知っていますか?
これは、ヨウ素がデンプンの中に入り込んで紫色に見える現象です。ジャガイモにヨウ素液を垂らすパターンが有名です。
今回取り上げたビタミン C はこの「ヨウ素デンプン反応」を邪魔します! ですから、ビタミン C が多い食材は紫色に
変わるのに、より沢山のヨウ素を入れる必要があります。これで、食材中のビタミン C の量を比較できます。
以下の実験では、ジュースに含まれているビタミン C の量を比べてみましょう!
*異なる会社の製品だと、味ごとのビタミン C 量の差が生じる可能性があります。
また、本実験の条件では青く染まる状態が比較しにくい場合があります。
実験手順
材料
- 8 倍希釈イソジン液 → イソジン液:水= 1:7
- デンプン溶液 → 片栗粉小さじ 1 杯、水小さじ 2 杯、お湯 200cc
- サンプル(味の異なる果汁 100% ジュース、同じ会社のものがよい)
- 食酢
- プラスチックコップ
- スポイト(液体を 1 滴ずつ垂らせるもの)
- 計量カップ
- 計量スプーン
材料
- 試薬準備
- デンプン溶液と食酢を 1:5 の割合で混ぜます。以後、これをデンプン‐食酢液と呼びます。
- サンプルと水を 1:9 の割合で混ぜます。以後、これを希釈サンプルと呼びます。
- プラスチックコップにデンプン‐食酢液を小さじ 1 杯、希釈サンプルを小さじ 1 杯、水を大さじ 2 杯入れて、
よく混ぜます。以後、ここで作った溶液をサンプル溶液と呼びます。
- 滴定
- サンプル溶液に 8 倍希釈イソジン液を 1 滴垂らして混ぜます。溶液が青くなったら、そこで滴定は終了です。
- 結果
- 溶液が青くなるまでに入れたヨウ素液の量が多いほど、そのサンプルにはビタミン C が多いことになります。
補足
- ヨウ素は水に溶けにくい物質であり、一般に言う「ヨウ素液」にはヨウ化カリウムが入っている。
- ヨウ素デンプン反応は、アミロースのらせん構造の中にヨウ素分子が入りこんでいる。
- 片栗粉を皿に少量おいて、そこにヨウ素液を数滴垂らすと、青紫色になります。これがヨウ素デンプン反応です。
実験例
前述の手順で実験を行いました。参考にしてみてください。
サンプルは同じ会社のジュース(りんご、オレンジ、ぶどう、グレープフルーツ)と牛乳の 5 つです。
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各希釈サンプルの色。
左より、りんご、オレンジ、ぶどう、グレープフルーツ、牛乳、デンプン‐食酢液、8 倍希釈イソジン液、イソジン液 |
色の変化の様子。
左:滴定前、右:滴定後 |
結果
滴定後、1 分経過しても溶液が青いときを終了とした。
サンプル名 | 滴定数 |
サンプル無し(デンプン‐食酢液と水のみ) | 6 |
りんご | 7 |
オレンジ | 6 |
ぶどう | 7 |
グレープフルーツ | 7 |
牛乳 | 5 |
考察
- オレンジジュースは他のジュースと比べてビタミン C 量が少ないと考えられる。
- 牛乳はサンプルがない場合より少ない滴定数で青くなった。
文責:木村栄輝
http://www.t-scitech.net/history/miraikan/shokuhin/kagaku.html