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最先端の防音技術

このイベントでは、東京工業大学大学院理工学研究科 機械物理工学専攻 ダイナミクス調和工学講座 構造ダイナミクス分野の 遠藤 満、西垣 勉の両先生にご協力いただき、最先端の研究を紹介するという試みを行いました。

ANC(アクティブノイズコントロール)の研究

波の合成音って何者?」でも述べましたが、音は波として表すことができます。波(青)と波(赤)が 下の図のようにうまくぶつかると、重ね合わさって緑の線になります。つまり計算上、波がなくなってしまうという現象が 起きます。この原理を利用したのがANC(アクティブノイズコントロール)という技術です。
ANC

センサーで音を感じると、その音を打ち消すような「逆の」音を計算し、アクチュエーターという装置でその音を 起こします。すると、音どうしが出会った瞬間に打ち消しあってしまい、音が消えてしまいます。この「音の迎撃ミサイル」の ようなシステムで音を消す技術が ANC です。現在、実用化されている ANC は装置が大きいという欠点があります。 今回ご協力いただいた遠藤先生らは、圧電フィルムと呼ばれる特殊な装置を用いたこの ANC 装置の軽量化を研究しています。 将来的には、航空機などに応用されるかもしれません。

圧電フィルムの不思議

圧電フィルムは、ポリフッ化ビニリデン (CH2=CF2) というプラスチックのフィルムを アルミニウムでコーティングした膜で、圧力を加えると電気を起こす性質を持っていることが分かっています。遠藤先生らは、 この圧電フィルムの研究をするうち、アンプから出た CD 音源の電気信号を圧電フィルムに流すと、フィルムから音が聞こえて くるという不思議な現象を発見しました。本イベントでは、この圧電フィルムによるデモンストレーションも紹介しました。

http://www.t-scitech.net/history/miraikan/sound/titech.html