具体的作物の安全性

Bt コーン

害虫抵抗性作物の人体への影響

Bt コーンが作るタンパク質は特定の害虫の消化器官に反応する(腸を破壊していまう)ことで、その害虫を殺してしまう。 性質の違う消化管を持っている人間には安全とされている。

しかし、消化実験で使う人工胃液・腸液の濃度が実際の消化液の濃度と違うことや、 タンパク質の 1 割程度は分解されないままに体内に吸収されることから安全を疑問視している人もいる。

オオカバマダラ問題

アメリカで Bt コーンの花粉をかけた草を食べた蝶(オオカバマダラ)の幼虫が 44% も死んでしまうことが報告された。 コーンの安全性に疑問が投げかけられることになった。

しかし、与えた花粉が多すぎたなどの野外環境を反映していないことから安全性には問題ないとされた。

ジャガイモ

パスダイ事件

英国のパスダイ博士が組換えジャガイモ(実験用で商品化はされていない)を食べたラットに 免疫低下がみられたとテレビ番組で報告したことで世間を驚かせた事件。 しかし、実験設計や分析について不十分であり、世間を混乱させたとして博士は免職されてしまった。

後日、この結果を支持する署名があるなど賛否両論が噴出し、最終的な結論は得られなかった。 この事件は科学者、メディア、大衆間で組換え食品についての議論が活発化するきっかけとなった。

除草剤耐性ダイズ・ナタネ

スーパー雑草の危険性

除草剤耐性の遺伝子が近縁種の雑草に移ることにより除草剤が効かない雑草が生まれてしまうという不安がある。

ダイズの場合は自家受粉であるため基本的に他の雑草に移る危険性は低い。 ナタネのような他家受粉の場合では近くにある雑草には交雑して除草剤耐性遺伝子が移る可能性がある。 しかし、仮に移ったとしても特定の除草剤に耐性があるだけであり、どんな除草剤でも効かないスーパー雑草が できる可能性は無いとされている。つまり、他の除草剤を使用すれば枯れてしまう。

http://www.t-scitech.net/history/miraikan/gmo/safety2.html